多数決は民意を反映しないという事実

以前から多数決に疑問を持っていました。
忘年会でどこかに行こうか、という採決で、行きたい忘年会旅行先数カ所+地元で宴会の選択肢で行ったのだが、旅行先を選んだ人は過半数居たのに、1位はなんと地元で宴会で、結局これになった。
これにはちょっと疑問を持った。


例えば、十数人のグループで旅行に行くことを計画し、多数決という場合、
さらに、半数以上の人がどこかに行きたいと考えている場合、


1)「行くか、行かないか」でまず採決し、その後「行き先候補地A、B、C、D」で採決。


2)「行き先の候補地A、B、C、D+行きたくない」で採決。


このとき勝つためには、

  • どこでも良いから行きたい、と思う人は、過半数を取れる、1)で行くことが決まるので有利。逆に2)だと票が割れて勝てないかもしれない。
  • 逆に行きたくない、と思う人は、1)だと過半数を取れずに負けるが、2)なら、行きたくないが1位になれるかもしれないので有利。
  • 行き先AかCなら行きたいけど、他なら行きたくない、と言う人も同様に、2)で1位を取れるかもしれないので有利。


人によって、行きたいところに拘る人と、皆で行くこと自体を重要視する人で、採決の方法によって有利・不利が出て、全く異なる結果になることが想定されてしまうのである。
よって、民意を反映する、とは死票をいかに少なくするか、ということになると思う。


もし、2)の採決の場合、行きたくないという人が組織票を固めてしまえば、行きたいと思う人が過半数居たとしても死票となり、行かないという結果になる。これ、小選挙区で1位を沢山獲得したG民党がわかりやすい例。
つまり、広く支援を求めるより、ある一部の支援を受ければ良いってことだ。


逆に、1)の採決の場合、Aに行きたいけど他は絶対行きたくないと思う人が一番多く居ても、最初の採決で負ける「どこにも行きたくない」と思う人全てが次の採決でA以外に投票すると、Aは死票になって決まらないかもしれない。
さらに、これを恐れてAに行きたいけれど「行きたくない」に投票する人が出てくることも考えられる。
これでは自分の本心とは違う投票をせざるを得ない状況を生む。


国民投票で怖いのは1)だ。Yes/NoでYesが多ければ、Yesって決まっただろう?だからYesなんだよ、って迷いもなく先に進んでしまうことになる。
同じように、内容が決まっておらず、裁決後に内容を決めていく場合も、1)は怖い。
例えば安保関連、通すだけ通して内容は後から…まさにこれと同じ。
これが2)の方法なら、1)のような結果にはならないだろう。


う〜ん、国民投票、いや、多数決って怖いですね!