古いスイッチを入手した

○フオクで古いスイッチを入手、状態はそんなに良くはないが貴重な物。
早速、分解清掃、再組立を行った。
以前の記事もご参照ください。


*神保の古いタンブラスイッチ
保有するものと同型で、ノブは美しい曲線を描いており、オリジナルのON/OFFの刻印がある。
電取法の承認番号(〒6-634)。昭和20〜30年代のものと思われる。
神保のスイッチのノブは金型によって形状が異なり、保有する物とは微妙に違う形である。


ノブの回転軸中心は、器具の一番奥にあって、回転半径が大きく、回転させるというより上下させるといった感じ。
接触子は振り子状に取り付けられ、ノブに引っ張りばねで結ばれて、ノブの操作方向と同じ方向に動き開閉動作する。
作動音は、パッチン・パッチンという音で固めの操作感。
開閉操作が頻繁に行われていない場所のもののようで、ノブや接触子はすり減っていない。
金具はやはりサビが見られるので、後日、磨き上げてローバル吹きつけようかな。






*松下のタンブラスイッチ
昭和40年代の設計と思われる製品で、なんと現在でも同型が販売されている。
入表示のドットは、以前は白色だったが、途中から赤色になり、これも赤色である。
電取法の承認番号(〒41-11363)、この番号から最近の製造と思われるが、若干動作が不安定。
接触子は、ネジ端子から延びる銅板で、押しばねによりノブが動作すると、ノブに設けられた凸部が当たって接点が離れて切となる。
作動音は、カチ・カチという硬い音。

松下は、この他に、「磁器製の器具本体+樹脂ノブ+金具」の製品も存在し、こちらはもっと古い物と思われる。
ノブはグレー色がオリジナルで、その後、ダークブラウン色のものも存在したが、形状はいずれも角張っていて、回転半径も小さく、プレートの上下に大きく隙間ができてしまう。
松下のスイッチは昔からこの形状だったのだろうか…






*神保の古い小判連用スイッチ
連用タイプをいち早く開発した神保の古い連用スイッチ。
さきほどのタンブラスイッチに較べて小型になり、ノブの回転半径が約半分以下に小さくなったが、ノブは曲線を描く。
接触子は振り子状になっているのは同じだが、引っ張りばねから押しばねに変わり、ノブの操作方向とは逆の方向に動き開閉動作する。作動音はやはり、パッチン・パッチンという音で固めの操作感。
電取法の承認番号(〒6-730)。昭和30年代のものと思われる。
神保のスイッチのノブは金型によって形状が異なり、この連用スイッチも形状が数種類あったように思う。

神保はこの後、銅板の接触子自体にばね性を持たせ、銅板の形状によりノブと接点を動作させるものへ移行、以前の記事のクワイトスイッチもこのタイプである。
最後の連用スイッチまでこの方式でした。ただし、以前の記事のクワイトスイッチは銅板の接触子のばね性ではなく、ノブの凸部がコイルばねを乗り上げる時の曲がり(たわみ方向ではない)によるばね性で動作し、別の凸部により開閉動作する銅板の接触子となっている。




*松下の古い小判連用スイッチ
さきほどの松下のタンブラスイッチと同様の機構で、回転半径も同じく小さい。
ただ、小さい小判形なので、ノブは小さい曲線を描き、隙間が生じることは無い。
操作は、パチ・パチという感じで、操作感は軽め。神保の振り子状の接触子とは対照的で、構造は簡単であるが、やはり動作が不安定。
電取法の承認番号(〒6-2024)。昭和30年代のものと思われる。

この製品の後継は、押しばねが、らせん状コイルばねから板ばねに変わったが基本は同じ。
その後、押しコイルばねに挫屈復元力を持たせて接点とともに動作するタイプに代わり、これが、フルカラースイッチ、コスモワイドスイッチにも受け継がれている。